ブランド写真集 【TOKINOHA】
2025年2月、TOKINOHA初となるブランド写真集【TOKINOHA】の販売がスタートいたしました。
ブランド写真集『TOKINOHA』
¥11,000
出版に寄せて
TOKINOHAは、
京都で“五代目 清水 六兵衛“の曾孫として生まれた清水 大介が、
自分の陶芸の道を探す中で、清水 友恵とともに2009年から始めた活動です。
清水大介が、大学卒業後、突然、父親と同じ陶芸の道を選び、友恵とともにTOKINOHAを立ち上げ、自分たちのあり方や、日本の陶芸という仕事が未来に続いていくために、何ができるか模索し、歩んでいる途中で、2021年、この活動を見つめ直し、ブランドタグラインを再設定するところから始まりました。
クリエイティブディレクターの野崎賢一、アートディレクターの加藤啓太郎とともに、「くらしの中で使われて完成する清水焼をつくりたい」という想いを形にし、新たなロゴとともに歩みを進めていました。その過程で、TOKINOHAの現在の活動を整理し、これまでの歩みを振り返り、未来への道筋を明確にするため、「本を制作する」という方法を選びました。たとえ広く届けることはできなくても、必要な人に深く伝わり、ブランドのすべてを知ってもらえると考えたからです。
本をつくることになったきっかけは、フードスタイリストつがねゆきこさんのアイデアでした。そして、写真家・中川正子さんに依頼し、2年に渡る制作が始まりました。
もう一度、ブランドと向き合い、裸にし、考えてきたこと、行動したこと、悩んだこと、未来に考えていることを言葉にし、並べてきました。その過程全てが、私たちにとっても貴重な時間になったと思います。 清水焼から離れ、悩み、活動してきた今、結果的に、本来の清水焼が持っていた、決まった手法はなく、オーダーを受けて作っていくスタイルに辿り着いていた自分との戦い。また、流通や、社員の給与の水準をどうやってあげていくか、という陶芸が置かれている立場との戦いなど、全てを言葉にしています。
内容の一部は追って、デジタル上で公開しようと考えていますが、まさに器をつくり、届け、使ってもらう時のように、手に取って重さを感じてもらいながら、1ページ1ページの写真と、言葉を、めくりながら感じてもらえるように、かけられる予算ギリギリの1000部限定で出版することにしました。
そのモノとしての細部までの質感、伝えたいページ数に妥協したくなかったので、出版社も通さず、利益度外視の自費出版で作り上げました。この1000部限定の体験を、ぜひ少しでもTOKINOHAに興味をお持ちいただいた方に楽しんでいただければ嬉しいです。器と同じように、「くらしの中で使われて完成する清水焼」を体現する、特別な体験をお届けできるはずです。
これから、日本に限らず世界中でも、販売しようと考えていますが、まずは、ここでこの文章を読んでくださっているみなさまに、できれば手に取っていただきたいです。
<清水大介・清水友惠>
清水焼の伝統を受け継ぐ「五代目 清水六兵衛」の曾孫・清水大介と、そのパートナー清水友惠によって 2009年にはじまったTOKINOHA。この写真集を通じて、陶芸に込めた想いや取り組みが多くの方に届き、次世代への架け橋となることを願っています。